「一家に一つの万能薬」と言われ、どの家庭にも馴染のあるオロナイン。
どんな悩みにも効くイメージもある方も多いはず。
そんなオロナイン、実はネット上で、保湿クリームの代わりに使用できるという噂が出ているのをご存じでしょうか?
今回の記事では、元エステティシャンの私の観点から、
✅オロナインは保湿クリームの代わりに使えるのか?
✅起こりうる副作用
なども交えながら詳しくお伝えしていきます。
この記事を読めば、オロナインについての知識がより深まるはず!
では、さっそくお伝えしていきましょう!
オロナインを保湿クリーム代わりに顔に塗っても大丈夫?
まず結論からお伝えすると、オロナインは、基礎化粧品ではなく、医薬品のため、保湿クリームの代わりに顔に塗るのは、避けた方がいいです。
具体的にオロナインに含まれている成分を見ることで、使用していけない理由が分かります。
では、オロナインに含まれているのは、成分を詳しく見ていきましょう。
◎有効成分
・クロルヘキシジングルコン塩酸液◎添加物
ラウロマクロゴール、ポリソルベート80、硫酸AI/K、マクロゴール、
グリセリン、オリブ油、ステアリルアルコール、サラシミツロウ、ワセリン、自己乳化型ステアリン酸グリセリル、香料、精製水※引用元:富士製品
まず、オロナインは、主成分として、クロルヘキシジングルコン塩酸液を使用しています。
クロルヘキシジングルコン塩酸液は、殺菌作用があり、主に殺菌・消毒薬として広く使用されている成分になります。
実は、お肌には、元々多くの常在菌が存在します。
菌と聞くと悪いイメージが浮かびますが、実は真逆です。
お肌に潤いを与えるグリセリン関連物質を分泌したり、荒れたお肌やアトピー性皮膚炎の原因ともなる黄色ブドウ球菌を退治する抗菌ペプチドを生み出し、お肌を守る大切な役割を果たしてくれているのです。
オロナインは、殺菌作用のあるクロルヘキシジングルコン塩酸液が主成分のため、傷がないお肌に常用すると、先程お伝えしたようなお肌にとって元々必要な常在菌も殺してしまうおそれがあるのです。
そのため、毎日使用し続けることで逆にお肌が荒れてしまう可能性もあります。
そしてその他、添加物として、グリセリン、オリブ油、ワセリン、サラシミツロウなどが含まれております。
確かに、これら成分は、保湿効果の高い成分です。
しかし、あくまで、オロナインは、皮膚疾患・外傷治療薬。
含まれている保湿成分は、傷などで炎症した肌を正常な状態に戻す際に必要な保湿剤として補われているものと考えられます。
また、いくら保湿効果の高い成分が配合されていても、元々主成分として殺菌作用のあるクロルヘキシジングルコン塩酸液が使用されています。
つまり、オロナインを保湿クリームの代わりに塗ることは、逆に皮膚のトラブルを起こしてしまう恐れがあるので、避けた方がいいと言えるでしょう。
オロナインを顔に塗って引き起こされる副作用とは?
では、実際にオロナインを顔に塗るとどのような副作用が起こりうる可能性があるのでしょうか?
オロナインの製造元である大塚製薬は、公式で副作用について以下のように発表しています。
※引用元:大塚製薬
これらは、全身の皮膚を対象にしているものです。
全身になるので、もちろん顔も含まれております。
大塚製薬が公式に述べている、起こりうる副作用としては、主に、発疹、発赤、かゆみ、はれ、乾燥の可能性が高いと言えます。
また、まれにアナフィラキシーと呼ばれる、短時間で全身にあらわれるアレルギー反応を引き起こす場合もあります。
このアナフィラキシーにより、血圧が低下したり、意識障害などを引き起こし、場合によっては、命に危機が生じ得る、アナフィラキシーショックと呼ばれる現象が最悪起こりうる可能性もあります。
そのため、使用時に何か少しでも肌に違和感や反応があれば、使用を中止し、医師に相談することが大切です。
オロナインを顔に塗って大丈夫な人とダメな人の違い
ここまで、オロナインを保湿クリームとして塗ってはいけない理由や、起こりうる副反応についてお伝えしてきました。
オロナインは、皮膚疾患・外傷治療薬なので、毎日の保湿クリームとして使用はお勧めできませんが、火傷やニキビ、ひびわれ、かるいやけどなどのケアをしたい際には大変効果のあるものです。
しかし、オロナインは軟膏、かつ薬であるので、お肌に合う、合わないがもちろんあります。
そのため、もし顔に治療目的として使用したい際に炎症が起きたら残念ですよね。
ここでは、オロナインを顔に塗っても大丈夫な方と何かトラブルが起きやすい方の違いについてお伝えしていきます。
・正常な肌状態の方
・塗布する箇所に湿疹や虫さされがない方●オロナインを塗るとトラブルが起きやすい方●
・敏感肌の方
・乾燥肌の方
・塗布する場所に湿疹や虫刺さされがある方
先程もお伝えした通り、オロナインは殺菌効果に優れた治療薬です。
クロルヘキシジングルコン塩酸液と呼ばれる殺菌作用のある成分が主成分として含まれていますが、こちらは、主に殺菌・消毒薬として広く使用されている成分になります。
消毒薬に使用されるほど強力な殺菌作用があるため、刺激が強く、元々お肌が敏感肌の方には、ヒリヒリなどのトラブルが感じやすくなってしまうと考えられます。
また、正常なお肌には、本来お肌にとって必要な常在菌がバランスよく存在しています。
しかし、お肌が乾燥している方は、バリア機能が通常よりも低下しているため、元々本来必要である常在菌が低下しています。
そのため、常在菌が少ない、バリア機能が低下しているお肌に、殺菌作用の高いオロナインを塗ることで、さらに残り少ないわずかな常在菌も殺菌してしまうことになるので、お肌のバリア機能がより崩れ、ヒリヒリなどのトラブルに繋がってしまう可能性があります。
つまり、オロナインは、敏感肌や乾燥肌の方には、何かとトラブルが起こる可能性があるので、注意して塗ることが大切です。
また、元々オロナインは、ただれやかぶれなどの湿疹、虫刺されの箇所に使用してはいけない決まりがあります。
これは、それらの箇所に塗ることで症状が悪化したり、副作用が起こりやすくなるためです。
そのため、塗布する箇所に湿疹や虫さされがある場合、トラブルに繋がりやすくなるので、湿疹や虫さされがある場所は避けるか、使用を中止してください。
オロナインを保湿クリーム代わりに使用する上での注意点
まず、何度もお伝えしている通り、オロナインを保湿クリームの代わりに使用するのは、お肌に悪影響を及ぼす可能性があるため、おすすめできません。
しかし、それをご理解して頂いたうえで、それでも試してみたいという方に、ここだけは注意してほしいポイントをお伝えします。
注意点は、
⒈ 朝など日の当たる場所にいく前に塗らない。
⒉ 塗布する場所に湿疹や虫刺さされがある場合は塗らない。
⒊ かゆみ、赤み等副作用が出た場合は即使用を中止する。
⒋ あくまで、薬であることを忘れない。
朝など日の当たる場所に行く前に塗らない
オロナインには、グリセリン、オリブ油、サラシミツロウ、ワセリンなどの油分が含まれています。
これらの油分は、保湿成分のため、保湿効果がありますが、じつは、紫外線を油分に長時間当てると、酸化が起きてしまうのです。
酸化が進むと、お肌にたるみやしわ、そしてシミを引き起こす可能性があるんです。
紫外線が油分に当たり、酸化反応を起こすと、肌を酸化させたり刺激要因になる『過酸化脂質』や、量が増えると肌に炎症を起こす『高級脂肪酸』を生成してしまいます。
その結果、酸化が進みやすくなるだけでなく、しみやたるみ、そして炎症などお肌トラブルが起きやすくなってしまう可能性があります。
つまり、オロナインを塗る際は、なるべく日に当たらない夜などに塗ることをおすすめします。
塗布する場所に湿疹や虫刺さされがある場合は塗らない
先程もお伝えした通り、オロナインには、元々、ただれやかぶれなどの湿疹、虫刺されの箇所に使用してはいけない決まりがあります。
これは、それらの箇所に塗ることで症状が悪化したり、副作用が起こりやすくなるためです。
そのため、オロナインを塗る際は、必ず、顔に湿疹や虫さされがないか確認し、ある場合は塗るのを避けましょう。
かゆみ、赤み等副作用が出た場合は即使用を中止する
オロナインは、殺菌作用の高いクロルヘキシジングルコン塩酸液を主成分としています。
クロルヘキシジングルコン塩酸液は、消毒液に使用されるほど刺激が強いものなので、副作用も出る方もいらっしゃいます。
もし、発疹、発赤、かゆみ、はれ、乾燥等の副作用が出た場合は、すぐに使用を中止し、お医者様に見てもらってください。
あくまで、薬であることを忘れない
何度もお伝えしている通り、オロナインは、にきび・吹き出物・はたけ・やけど(かるいもの)・ひび・しもやけ・あかぎれ・きず・、水虫・たむし・いんきん・しらくも等に効能のある皮膚疾患・外傷治療薬です。
基礎化粧品ではなく、あくまで薬です。
そのため、毎日使用しているといざという時に効果がなくなってしまったり、本来必要である常在菌までもが殺菌され、逆に肌荒れを引き起こしてしまう可能性があります。
毎日、そして保湿クリームの代わりには使用せず、できれば、にきび・吹き出物・はたけ・やけど(かるいもの)・ひび・しもやけ・あかぎれ・きず・、水虫・たむし・いんきん・しらくもなどを治したい際に使用する薬として認識していただき、保湿クリームは、保湿性の高い基礎化粧品を使用してください。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回の記事では、保湿クリームの代わりにオロナインを使用できるのか、オロナインの副作用、どんな方がオロナインを塗ったら赤みなどが出てしまうのか等をお伝えしていきました。
何よりも大切なのは、オロナインは、殺菌作用の高い軟膏薬であるということ。
そのため、もし保湿クリームとして代用したいのであれば、別の保湿効果のあるクリームを使用することをおすすめします。
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